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Part2:Wikiを設置してみよう

Chapter.5 Wikiを始めるには

5-04 WindowsサーバにPukiWikiをインストールする

 IISなどのWebサーバをインストールすれば、Windows環境でPukiWikiを利用することも可能です。

WindowsでPukiWikiを使うための準備

 PukiWikiを使うためには、Webサーバが動いていなければなりません。Windowsの場合は、Microsoft社推奨のIIS(Internet Information Server)かPWS(Windows95/98用)、もしくはApacheなどのフリーWebサーバをインストールします。好きなWebサーバをインストール可能ですが、個人ユースであればIISが手軽でいいでしょう。

 本サイトでは、Windows Vista Home PremiumとIISを使います。Windows 2000や2003 Serverでも、ほぼ同じ工程でIISの利用が可能です。ただ、Vistaの初期設定ではIISがインストールされていないので、まず最初にIISのインストールから始めなければなりません。

Windows VistaにIISをインストールする

 IISをインストールするには、[プログラムの追加と削除]画面から[Windowsコンポーネントウィザード]を起動します。コンポーネントの一覧からIISを選択して、簡単にインストールすることができます。

コントロールパネル

1
[スタート]メニューから[コントロールパネル]を選択します。

2
[プログラム]をダブルクリックします。
3
[Windowsの機能の有効化または無効化]をクリックします。
4
[インターネットインフォメーションサービス(IIS)]にチェックを付けて[OK]をクリックします。このとき、すでにインストールされている他のコンポーネントのチェックを外さないように注意します。
5
ファイルのコピーが開始され、続いてIISのインストールが実行されます。
IISを起動する

 IISのインストールが終われば、IISをサービスとして起動します。サービスとは、システムのバックグラウンドでクライアントの要求を待ちうけている状態のことです。Windowsの場合は、コントロールパネルから設定します。

1
「コントロールパネル」で[管理ツール]をダブルクリックします。
2
[管理ツール]ウィンドウで[インターネットインフォメーションサービス(IIS)マネージャー]をダブルクリックします。
3
[インターネットインフォメーションサービス(IIS)マネージャー]ウィンドウで、画面左のツリーから[サイト]を選択します。
4
画面右の[既定のWebサイト]の状態が[停止]になっていれば、右クリックして[Webサイトの管理]→[開始]を選択し、サービスを開始させます。
5
ブラウザに「http://localhost/」と入力すると、IISのページが表示されます。
PHPをインストールする

 PukiWikiを稼動させるためには、PHPをインストールする必要があります。PHPのインストールには、インストーラを利用する方法と、マニュアルでインストールする方法の2種類があります。PHPをPukiWiki以外にも利用したい場合はマニュアルインストールをおすすめしますが、コンピュータを使い慣れた上級者向けとなります。本書では、誰でも簡単にインストールできるインストーラを利用する方法を説明します。マニュアルインストールする場合は、PHPのサイトで紹介されている手順などを参照しながら行ってください。

1
まずは[コントロールパネル]を開きます。
2
[プログラム]をクリックします。
3
[Windowsの機能の有効化または無効化]をクリックします。
4
[CGI]にチェックが入っているかどうかを確認します。
5
PHPの配布ページ(http://www.php.net/downloads.php)から「PHP 5.2.8 Non-thread-safe zip package」をダウンロードします(2008.12.26での最新バージョン)。
6
ダウンロードしたZipファイルを解凍し、「C:\php_nts」に保存します。
7
「C:\php_nts\php.ini-recommended」を「C:\php_nts\php.ini」に名前を変更します。

8「php.ini」ファイルを編集します。

①「;cgi.fix_pathinfo=1」の行の先頭にある;(セミコロン)を取る。
②「;fastcgi.impersonate = 1;」の行の先頭にある;(セミコロン)を取る。
③「;cgi.force_redirect = 1」の値を「0」に変更して、行の先頭にある;(セミコロン)を取る。
④「;open_basedir = 」の値を「C:\inetpub\wwwroot」として、行の先頭にある;(セミコロン)を取る。
9
[コントロールパネル]から[管理ツール]をクリックします。
10
[インターネットインフォメーション(IIS)マネージャー]をクリックします。

11[ハンドラマッピング]をクリックします。
handler Mappings

12右側の[モジュール マップの追加]をクリックします。
handler Mappings

13
[モジュール マップの追加]をします。
「要求パス」に「*.php」
「モジュール」は「FastCgiModule」を選択し、
「実行可能ファイル」は「C:\php_nts\php-cgi.exe」
「名前」を「PHP via FastCGI」とし、「OK」をクリックします。
次のメッセージウィンドウは「OK」をクリックします。
PHPが稼動しているか確認する

 PHPが問題なくインストールされたかを確認します。確認するには1行だけの簡単なPHPスクリプトを作り、ドキュメントルート「C:¥Inetpub¥wwwroot」に配置します。まず、テキストエディタで以下のように記述します。

<?php phpinfo(); ?>

 入力できたら、名前を付けて保存します。ファイル名は任意ですが、拡張子は必ず「.php」とします。ここでは、わかりやすく「phpinfo.php」としておきましょう。このファイルを「C:¥Inetpub¥wwwroot」に配置します。
 次にブラウザのアドレス欄に「http://localhost/phpinfo.php」と入力し、[Enter]を押します。図のように表示されれば成功です。

PHPが問題なく稼動していれば、この画面が表示されます。
PukiWikiをインストールする

 いよいよPukiWikiのインストールです。基本的な手順はレンタルサーバでのインストールと同じですが、FTPでのアップロードが必要なく、ファイルを「C:¥Inetpub¥wwwroot」に解凍またはコピーするだけで済む点が異なります。

1
PukiWikiの公式サイト
http://pukiwiki.sourceforge.jp/)にアクセスし、最新バージョン(2008年12月時点では1.4.7)のダウンロードページへのリンクをクリックします。
2
アーカイブ形式はtar.gzとzipがありますが、ここではzip形式をクリックします。
3
希望のダウンロードサーバを尋ねてくるので、ネットワーク的に近いところ(ここでは「けいはんな」)を選択します。
4
[ファイルのダウンロード]ダイアログボックスが表示されるので[保存]をクリックします。
5
[名前を付けて保存]ダイアログボックスが表示されるので、[保存する場所]から[デスクトップ]を選択し、[保存]をクリックします。
6
400KB弱に圧縮されているので、数10秒でダウンロードが終わります。デスクトップにアーカイブアイコンが表示されればダウンロードの完了です。
ここでは[フォルダを開く]を選択します。
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展開先を指定します。ドキュメントルート「C:\Inetpub\wwwroot」に直接展開します。
8
解凍されたフォルダが表示されます。
9
フォルダ名にはバージョン番号が入っているので、わかりやすい名前に変更しておきましょう。フォルダを右クリックして[名前の変更]を選択します。
10
フォルダに任意の名前を付けます。この例では「pukiwiki」としています。この場合、アクセスURLは「http://localhost/pukiwiki/index.php」になります。
初期設定ファイルを編集する

 解凍したPukiWikiフォルダに、「pukiwiki.ini.php」という設定ファイルが含まれています。このファイル内の3ヵ所に、自分の情報を書き込みます。ファイルの編集にはテキストエディタを利用します。改行コードが「LF」になっているため、「メモ帳」では編集できないので注意しましょう。ここでは「TeraPad」を使用します。
 なお、暗号化パスワードの作り方については、「5-03 レンタルサーバにPukiWikiをインストールする」のコラム「MD5ハッシュを求める」を参照してください。

1
PukiWikiフォルダを開き、「pukiwiki.ini.php」を右クリックして[プログラムから開く]から、「TeraPad」を選択します。
2
[検索]→[指定行]を選択します。
3
123行目を指定します。
4
123行目の「anonymous」を自分のユーザ名に書き換えます。このユーザに編集権限が与えられます。
5
126行目に自分のホームページのURLを入力します。トップページのユーザ名に張られるリンクは、このURLになります。
6
193行目に暗号化したパスワードを入力します。暗号化できない場合は「$adminpass = md5("your-pasword");」とし、「your-password」に自分で決めたパスワードを記入します。

 以上で設定ファイルの編集は終了です。上書き保存で終了します。この際、改行コードがLFになっていることに注意してください。

フォルダのセキュリティを設定する

 以上でPukiWikiのインストールが終了しましたが、この状態ではまだアクセスすることはできません。レンタルサーバにインストールした場合と同じように、PukiWikiフォルダのセキュリティを設定する必要があります。

まずはPukiWikiを動かすための設定

 Windows Vista(IIS)の場合、ネットワークからのWebアクセスは「インターネットゲストアカウント」(IUSR_MachineName)という特殊なアカウントからのアクセスとして処理が行なわれます。このアカウントでPukiWikiを動かすことができるように、セキュリティを設定します。

1
マイコンピュータから「C:\Inetpub」を開き、「wwwroot」フォルダを右クリックして[プロパティ]を選択します。
2
[セキュリティ]タブで[グループ名またはユーザ名]に[インターネットゲストアカウント](以下IUSR)があり、[許可]が[読み取り]のみにチェックが付いていることを確認します。もしIUSRがなければ[編集]をクリックしてユーザを追加します。
3
[追加]をクリックします。
4
選択するオブジェクト名を[MachineName\IIS_IUSRS]と入力します。
5
「IIS_IUSRS」が追加されましたので、[読み取り]のみにチェックがついていることを確認します。
6
「wwwroot」フォルダを開き、「pukiwiki」フォルダを右クリックして[プロパティ]を選択します。
7
ここではIUSRの[読み取り]と[書き込み]にチェックを付け、[OK]をクリックします。
ファイアウォールの設定

 ファイアウォールを有効にしている場合は、外部からWebサーバを見られるように、ポートを開けておく必要があります。この設定を行なわない限り、ネットワークからのWebアクセスができず、ブラウザには「サーバが見つかりません」とエラーメッセージが表示されることになります。

1
[ローカルエリア接続のプロパティ]ダイアログボックスの[共有]タブを開き、[設定]ボタンをクリックします。
2
「Webサーバー(HTTP)」にチェックをして[OK]をクリックします。
PukiWikiの動作を確認する

 最後に、ネットワーク側から「http://xxx.xxx.xxx.xxx/pukiwiki/index.php」でPukiWikiが表示されることを確認します。「xxx.xxx.xxx.xxx」にはIPアドレスかマシン名を入力します。わからない場合はコマンドプロンプトで「ipconfig」と入力します。すると、下記のようにサーバのIPアドレスが表示されます。

Microsoft Windows XP [Version 5.1.2600]
(C) Copyright 1985-2001 Microsoft Corp.

C:¥Documents and Settings¥ユーザ>ipconfig
Windows IP Configuration
Ethernet adapter ローカルエリア接続:
    Connection-specific DNS Suffix . : xxx.xx.xx
    IP Address. . . . . . . . . . . . : 192.168.16.171  ここがIPアドレス
    Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.254.0
    IP Address. . . . . . . . . . . . : fe80::208:dff:fe2e:d3a%4
    Default Gateway . . . . . . . . . : 192.168.17.254

COLUM
もっと安全にPukiWikiを公開するには

 ここまでで説明したセキュリティ設定は、実験的にPukiWikiを動かすレベルの設定と考えてください。上記の「まずはPukiWikiを動かすための設定」の項目手順7では「書き込み」にチェックを入れましたが、これによって「PukiWiki」フォルダ以下に「書き込み」が許可されてしまいます。そのため、何かの転送ソフトを使って、スパイウェアなどがインストールされてしまう可能性があります。セキュリティを厳密に設定するには、「PukiWiki」フォルダを「読み取り」のみにして、それ以下のファイル・フォルダに対して個別にセキュリティを設定していきます。

 各フォルダ・ファイルのセキュリティ設定は、「5-03 レンタルサーバにPukiWikiをインストールする」のPukiWikiのパーミッション設定を参照してください。

通常は「wwwroot\pukiwiki」に対してIUSRを「書き込み」「読み取り」としますが、その場合フォルダ内のすべてにパーミッションが継承されてしまいます。厳しくパーミッションを設定する場合は、ここを「読み取り」のみにして、下位のフォルダへ必要なパーミッションを与えることができます。
【Part1】Wikiを使ってみよう
Chapter.1 Wikiって何?
1-01 Wikiの仕組み
1-02 Wikiでできること
1-03 Wikiは何に使えるの?
Chapter.2 Wikiを始めるには
2-01 livedoor Wikiに新規登録する
2-02 livedoor Wikiの初期設定をする
2-03 livedoor Wikiにテキストを入力する
2-04 livedoor Wikiのテキストを装飾する
2-05 livedoor Wikiのテキストをリスト表示する
2-06 livedoor Wikiで表を作成する
2-07 livedoor Wikiでリンクを張る
2-08 livedoor Wikiに画像を表示する
2-09 コメントやトラックバックの機能を利用する
Chapter.3 Wikiをカスタマイズするには
3-01 Wikiの設定を変更する
3-02 Wikiのデザインを設定する
3-03 Wikiのプラグインを設定する
3-04 Wikiのメンバーを追加・管理する
Chapter.4 Wikiをもっと便利に使うには
4-01 Wikiでアフィリエイトを行う
4-02 Wikiのアクセスを調べる
4-03 Wikiの更新を知るには
4-04 その他のWikiを使うには
【Part2】Wikiを設置してみよう
Chapter.5 Wikiを設置する
5-01 どのWikiを選べばよいか
5-02 どこにインストールするかを決める
5-03 レンタルサーバにPukiWikiをインストールする
5-04 Windowsサーバにインストールする
5-05 Linuxサーバにインストールする
Chapter.6 PukiWikiのカスタマイズ
6-01 PukiWikiの見た目を変える
6-02 PukiWikiのプラグインを使う
Chapter.7 PukiWikiのメンテナンス
7-01 PukiWikiのバックアップとバージョンアップ
7-02 PukiWikiをプライベートで閲覧する
7-03 PukiWikiをWindowsサーバで安全に使うには
7-04 PukiWikiをLinuxサーバで安全に使うには
7-05 PukiWikiを便利に使うためのツール
 
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