Part2:Wikiを設置してみよう
Chapter.5 Wikiを始めるには
自宅でサーバを構築する場合の主流となっているOSがLinuxです。そこで、LinuxにPukiWikiをインストールする方法を紹介します。
※注 この項目の内容は2005年11月現在のものです。(URLなどは更新有)
現在、主流の自宅サーバといえばLinuxです。一口にLinuxと言っても種類は多数存在するのはご存知でしょう。この種類というのがディストリビューションと言われるものです。元来LinuxはLinus B. Torvalds(リーヌス・トーヴァルド)氏よって1991年に開発され、多くのボランティアによって開発が続けられているカーネル(OSの中核部分)を指します。POSIX準拠によってUnixと同じプログラムが走る堅牢なOSを可能にしたフリーなOS-Linuxは、このLinuxカーネルを中心に数多くのツールやアプリケーションが組み込まれています。この組み込み方やアプリケーションの組み合わせ方、インストール方式の違いによってディストリビューションがあります。
ディストリビューションはLinuxの実行環境をパッケージ化して、簡単にインストール出来るようにしたものです。パッケージ化した人をディストリビュータといい、ユーザグループなどのボランティアや商用ベンダーなどがディストリビューションを作っています。
初心者がサーバ構築に挑戦する際に一番重要なのは、いかに簡単にインストールできるかということでしょう。数年前までのLinuxでは、まずハードディスクの初期化、マウントポイントの作成、ドライバのインストールを行ってからようやくカーネルをインストールし、その他のツールやアプリケーションはカーネルを起動させてからインストールするという、大変複雑な手順を踏む必要がありました。簡単にCDやDVD1枚でインストールできるようになったのは、ごく最近のことです。
現在、まったくのフリーとして流通しているディストリビューションでは、Fedora Core、Debian GNU/Linux、Slackware、Gentoo Linuxなどがあります。いずれもディストリビュータのサイトからダウンロードしてCDやDVDに書き込み、それを使ってインストールすることになります。各ディストリビューションともサーバとしての実績は充分で、いずれのディストリビューションでも素晴らしいサーバを構築可能です。しかし、インストールの簡単さや、対応ハードウェアから考えるとFedora Coreに軍配があがります。
Fedora Coreは現在バージョン4(FC4)が公開されています。このFC4は数多くのデバイスを認識し、最新スペックのマシンにもインストールできるぐらいです。しかし、FedoraCore自体が実験的要素の強いOSなので、あまりに新しいバージョンはサーバに不向きです。たとえばPHPはバージョン5.0.5なのでPukiWikiは動きますが、他のCMSでは動作不安定が報告されています。やはりサーバは安定性が一番です。そこで、本書では1つ前のバージョンFC3を推奨します。
Fedora Core 3(以下FC3)にPukiWikiをインストールするには、GUIで行なう方法と、ターミナルを使う方法の2つがあります。まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
FC3は非常にすぐれたLinuxディストリビューションなので、ブラウザでのダウンロードや右クリックによる操作など、Windowsと同じようにGUIによる作業が可能です。直感的に操作できるので、Windowsへのインストール方法を参照すれば簡単なように思えますが、ファイルシステムやパーミッションなどに関する多くの知識が必要なため、初心者にはかえって危険が大きいと考えられます。
以下、GUIでのインストール操作の概要を紹介します。
まず、ブラウザ(ここではFirefox)を使ってダウンロードします。ダウンロード後の書庫展開まで指定できます。
ダウンロードしたファイルは展開用ウィンドウに表示されます。[展開]ボタンをクリックします。
展開先を[ホーム]に指定して[展開]ボタンをクリックすると、ホームディレクトリ上に展開されます。
設定書類を変更するには、ファイルを右クリックして[別のアプリで開く]から好みのエディタを選択する。
ファイルを移動するには、ファイルマネージャ上でドラッグ&ドロップします。
ファイルを右クリックして[プロパティ]→[アクセス権]を選択し、パーミッションを設定します。
本サイトでは、Linux本来のインストール方法である、ターミナルウィンドウを使った手順を紹介します。この方法では、サーバマシンに直接インストールする以外に、離れたマシンからインストールすることも可能です。
また、基本的にサーバは各種サービスに徹することで本来の性能を発揮できるものなので、GUIを切った状態で使うのがよいと考えられています。
本サイトで紹介するPukiWikiのインストールでは、使用するコマンドの総数が10個前後で、いずれも簡単な構文だけで入力できます。どのコマンドにも解説を付けていますので、初心者の方はインストールしながら基本のコマンドを学習することもできます。
サーバにログインする場合は、必ず自分の一般ユーザで入りましょう。これがサーバ作業の鉄則です。管理者(root)は、起動やサーバ維持に必要なファイルの削除など、どのような操作も可能なため、万一操作をミスするとシステムに重大な障害に直結します。その点、一般ユーザは自分のホームディレクトリの中でのみフルコントロールが可能なので、システムに対する被害を最小限にとどめることができます。もし、一般ユーザがシステムの基幹部分を操作する必要がある場合は、suコマンドで局所的に管理権限を得ることができます。
コマンドを使ってPukiWikiをインストールするには、まずターミナルウィンドウを起動する必要があります。
離れたマシンからインストールする場合は、SSHやTELNETでサーバに接続すれば、同じようにインストール可能です。筆者は執筆用のノートパソコンからSSHでサーバに接続して、実際のインストールを行ないながら執筆しています。
FC3や最近のディストリビューションでは、OSインストールで意識的に項目削除しない限りインストールされているはずですが、念のためにPHPがインストールされているかを確認します。
$ which php
/usr/bin/php
whichは次に続くアプリケーションがシステムに登録されているかを調べるコマンドです。存在すれば、インストールされているパスを表示します。
今回インストールするPukiWikiでは、PHP4以上が必要となります。最新のPHPはver5.0.5ですが、ver4.x.xであっても問題ありません。むしろ、現時点での安定性からいって4.x.xの方が好都合な場合もあるため、最新版へのバージョンアップは必要としません。
$ rpm -qa | grep php
php-odbc-4.3.11-2.8
・
・
・
php-4.3.11-2.8
・
・
・
上記のコマンドは、バージョンが入ったインストール済みプログラム一覧(rpm -qa)を作り、その中からphpという文字列が入ったもの抜き出す(grep php)ものです。2つのコマンドを区切る「|」はパイプといって、左辺の結果を右辺に引き渡す処理記号です。上記の結果では、バージョン4.3.11-2.8のPHPがインストールされていることがわかります。
ApacheがPHPを解釈・実行するためには、phpモジュールが必要です。PHPがインストールされていれば対応したモジュールが入っているはずですが、後でPHPをインストールした場合は対応したモジュールをロードするように設定しなければなりません(モジュールはApacheが持っているので、ロードを命令するだけです)。
$ cat /etc/httpd/conf.d/php.conf
#
# PHP is an HTML-embedded scripting language which attempts to make it
# easy for developers to write dynamically generated webpages.
#
LoadModule php4_module modules/libphp4.so
#
# Cause the PHP interpreter to handle files with a .php extension.
#
AddType application/x-httpd-php .php
# AddType application/x-httpd-php-source .phps
#
# Add index.php to the list of files that will be served as directory
# indexes.
#
DirectoryIndex index.php
「cat」はテキストファイルの内容を表示するコマンドです。上記コマンドでは、/etc/httpd/conf.d/php.confファイル(Apache2が使用するPHPのための初期設定ファイル)の内容を表示させています。この中で重要なのはモジュールが先に調べたPHPのバージョンと合っているかです。上記の結果ではlibphp4.soとなっているのでバージョン4.x.x用のモジュールと判断します。ちなみにバージョン5.x.x用のモジュールはlibphp5.soとなっています。
PukiWikiのダウンロードは「wget」コマンドを利用します。wgetはhttpからデータを取得するコマンドで、引数にデータのURLを渡すだけでカレントディレクトリにデータをダウンロードしてくれます。執筆時点での最新版のURLはhttp://keihanna.dl.sourceforge.jp/pukiwiki/15430/pukiwiki-1.4.6.tar.gzです。
$ wget http://keihanna.dl.sourceforge.jp/pukiwiki/15430/pukiwiki-1.4.6.tar.gz
--14:37:39-- http://keihanna.dl.sourceforge.jp/pukiwiki/15430/pukiwiki-
1.4.6.tar.gz
=> `pukiwiki-1.4.6.tar.gz'
Resolving keihanna.dl.sourceforge.jp... 210.146.64.1
Connecting to keihanna.dl.sourceforge.jp[210.146.64.1]:80... connected.
HTTP request sent, awaiting response... 200 OK
Length: 280,671 [application/x-gzip]
100%[====================================>] 280,671 444.76K/s
14:37:40 (443.26 KB/s) - `pukiwiki-1.4.6.tar.gz' saved [280671/280671]
ダウンロードされたデータの有無を確認してみましょう。確認するには「ls」というディレクトリの内容を表示するコマンドを利用します。
$ ls
pukiwiki-1.4.6.tar.gz
上記のようにpukiwiki-1.4.6.tar.gzというファイル名が表示されれば問題ありません(このファイルのほかにカレントディレクトリにあるファイルすべてが表示されます)。
ダウンロードされたPukiWikiスクリプトは、tar.gzという形式でアーカイブ/圧縮されています。これを解凍するには「tar」コマンドを利用します。オプションの「zxvf」は忘れないようにしてください。
$ tar zxvf pukiwiki-1.4.6.tar.gz
pukiwiki-1.4.6/
pukiwiki-1.4.6/attach/
pukiwiki-1.4.6/attach/.htaccess
pukiwiki-1.4.6/attach/index.html
・
・
・
pukiwiki-1.4.6/wiki/index.html
pukiwiki-1.4.6/wiki.en.tgz
pukiwiki-1.4.6/README.en.txt.gz
pukiwiki-1.4.6/UPDATING.en.txt.gz
解凍されたファイル名が表示されて行き、終了するとプロンプトが戻ってきます。もう一度「ls」コマンドでディレクトリを見てみましょう。
$ ls
pukiwiki-1.4.6 pukiwiki-1.4.6.tar.gz
解凍前のファイル名から.tar.gzが抜けたファイル名が増えています。これがPukiWikiのスクリプトが入ったディレクトリです。中を覗いてみましょう。ディレクトリを移動するには「cd」コマンドを利用します。
$ cd pukiwiki-1.4.6
$ ls
pukiwiki-1.4.6 pukiwiki-1.4.6.tar.gz
「cd」コマンドでカレントディレクトリをpukiwiki-1.4.6に移動します。何の変化もありませんが、プロンプトの一部がカレントディレクトリの名称に変わりました。次の「ls」コマンドでは内容が表示され、多くのファイルやディレクトリがあることがわかります。
インストールの前に初期設定を行ないます。初期設定は、パスワードの作成と設定ファイルを数ヶ所書き換えるだけです。順序通りに行えば、特に難しいことはありません。
初期設定ファイルの編集に取り掛かる前に、パスワードのmd5ハッシュ値を求めておきます。md5ハッシュ値とは、可逆性のない128bitの要約でこの値をプログラムに書き込むことで、生の文字列を渡すことなく同一性を確認できるものです。このハッシュを使えば、万が一侵入者に設定ファイルを覗かれても生のパスワードは書かれていないので安心なのです。
ハッシュ値を求めるには、ターミナルで次のようにコマンドを入力します。
$ echo -n 'xxxxxxxx' | md5sum
9bc17485746a55ba4335cb4a361b9b43 -
上記の例では9bc・・・b43まで32文字が求められたハッシュ値です。この値を書きとめておいてください。
次にPukiWikiの初期設定ファイルの編集を行います。通常LinuxやUNIXのテキストファイルを編集するには「vi」というスクリーンエディタを利用しますが、初心者には使いづらいので、本書では「nano」というエディタを使います。nanoはFC3をフルインストールすれば利用可能となりますが、インストールされていないときは、CDからrpmファイルをコピーし、rpm -ivhするか、apt-getでインストールしてください。
使い方はいたって簡単で、移動は矢印キー、前方1文字削除は、後方1文字削除は、カーソルの前に文字が挿入されます。上書き保存は+、終了は+と、これだけ覚えれば編集が可能です。
ではnanoを起動しましょう。編集オプションの「-w」を忘れないでください。
$ nano -w pukiwiki.ini.php
編集箇所は3箇所だけです。
123行目の"anonymous"に自分のユーザ名を入力します。ここで指定したユーザがトップページに表示され、編集権が与えられます。
126行目に自分のホームページのURLを入力します。ない場合は、このサーバのアドレスを入力してください。
194行目に暗号化したパスワードを入力します。先ほど求めたmd5ハッシュ値を入力します。
入力が終われば、+で上書き保存し、+で編集を終了します。
PukiWikiを公開するためには、公開用のディレクトリに配置しなければなりません。「http://wwww.who.com/」というようなURLで公開するためには、ドキュメントルート(FC3の場合は/var/www/html/)にコピーする必要があります。また、「http://wwww.who.com/~user/」とユーザ権限で公開する場合は、/home/user/public_html/以下にコピーします。
まず、ドキュメントルートにコピーする場合の手順を説明します。
ドキュメントルート(/var/www/html)はrootのみが書き込み可能なディレクトリなので、rootにならなければコピーできません。そこで、一時的にroot権限を得るために「su」コマンドを使います。
$ su
Password:*******
suコマンドは本来Switch Userのことで、ログインユーザを切り替えるものです。
切り替え先のユーザ名を示す引数がなければ、スーパーユーザつまりrootになることを意味します。
# cp -R /home/toy/pukiwiki-1.4.6/* /var/www/html/
「cp」はコピーコマンドです。第1引数の「-R」は再帰的処理を意味し、ディレクトリがあればディレクトリとその内容までコピーします。また、*はワイルドカードです。*単体で使用するときは指定されたディレクトリのファイル・ディレクトリおよびその内容をすべてを選択していることになります。
コピーしたファイルは、コピーしたユーザ(この場合root)が所有者になります。所有者とグループが特殊ユーザapacheのとき、ファイル・ディレクトリのパーミッション設定は不要となるので、ファイルの所有者とグループを「apache」に変更します。ただし、ファイルの追加・編集・削除を行うときは、常にスーパーユーザになる必要があります。
# chown -R apache:apache /var/www/html/*
chownは所有者変更のコマンドです。引数の「-R」は再帰的に(ディレクトリがあればそれ以下も)すべて変更するオプションです。また:で区切られている前方はユーザ名、後方はグループ名を意味しています。上記コマンドラインは、/var/www/html/以下のすべてのファイル・ディレクトリを所有者・グループともにapache(Webシステムを起動している特殊ユーザ)に変更したことになります。
次に、ユーザディレクトリに配置する場合の手順を説明します。
Apacheの場合、ユーザディレクトリを利用するか否かをhttpd.confという設定ファイルに書かなければなりません。利用できるかを調べてみましょう。
$ su
Password:*******
# nano -w /etc/httpd/conf/httpd.conf
FC3では340行前後にあるディレクティブ<IfModule mod_userdir.c>を探し、その中の記述で「UserDir disable」を「#UserDir disable」としてコメントします。逆に、「#UserDirpublic_html」を「UserDir public_html」とコメントアウトします。
当初から上記のようになっていれば変更する必要はありません。そのまま+で終了してください。変更の場合の上書きは+を、確認表示でを押します。
設定を変更した場合は、Apacheを再起動させます。再起動のコマンドは「おまじない」として覚えておくと便利です。また、アクセスしてきた閲覧者がHTMLドキュメントに到達できるように、ホームディレクトリに進入権を与えておきます。
# /etc/rc.d/init.d/httpd restart
# chmod 711 /home/toy
編集が終わったら、exitコマンドでスーパーユーザからユーザに戻ります。
# exit
exit
$
ユーザディレクトリでの公開、つまり「/~user」というURLでの公開は自分のユーザディレクトリのドキュメント位置(一般的にはpublic_html)にwikiスクリプトをコピーします。ここではユーザ名が「toy」なので、「/home/toy/public_html」にコピーすることになります(「toy」の部分を自分のユーザ名に置き換えてください)。
$ pwd
/home/toy
「pwd」は現在のカレントディレクトリを表示させるコマンドです。上記では「/home/toy」にカレントディレクトリがあります。もしカレントディレクトリが自分のユーザディレクトリでない場合は移動します。
$ cd /home/toy
$ ls
public_html pukiwiki-1.4.6 pukiwiki-1.4.6.tar.gz
「ls」はカレントディレクトリの内容を表示させるコマンドです。「/home/toy」には、「public_html」と「pukiwiki-1.4.6」の2つのディレクトリと解凍したアーカイブがあります。
もしpublic_htmlがない場合は、自分でディレクトリを作成します。
$ mkdir public_html
「mkdir」はディレクトリを作るコマンドです。引数には絶対アドレスか、相対アドレスで書かれたディレクトリ名を渡します。
準備が整ったところでPukiWikiをコピーしましょう。
$ cd pukiwiki-1.4.6
$ cp -R * ../public_html
「cd」はカレントディレクトリを移動させるコマンドです。引数が「/」から始まる場合は絶対アドレス、それ以外は現在のカレントディレクトリを基点とした相対アドレスです。上記の場合、カレントディレクトリが「/home/toy」なので、「/home/toy/pukiwiki-1.4.6」に移動したことになります。
「cp」はコピーコマンドです。第1引数の「-R」は再帰的処理を意味し、ディレクトリがあればディレクトリとその内容までコピーします。第2引数の「*」はカレントディレクトリの内容すべてを意味します。第3引数の頭にある「../」は、1つ前の階層を相対的に示しています。上記の場合、「/home/toy/pukiwiki-1.4.6」から「/home/toy/public_html」に、ディレクトリの内容も含めてすべてコピーするというコマンドです。
パーミッションとはファイルが持つ属性で、読み込み・書き込み・実行(ディレクトリの場合は進入)の3種類で構成されます。その3種類をファイルの「所有者」「グループ」「それ以外」のように、アクセスしてきた人にそれぞれ割り当てます。
HTMLなどの場合、一般的にネットワークからアクセスしてきた人(「それ以外」に対応)には読み込みのみを、ファイルのメンテナンスをする人(「所有者」「グループ」に対応)に読み込み・書き込みを与えます。「実行」はCGIなどのプログラムを起動する権利です。原則的にはWebシステムを起動している特殊なユーザ(FC3の場合Apache、他システムの場合rootとすることもある)をファイルの所有者にして「実行権」を与えます。本例の場合、ディレクトリ進入権以外の「実行権」を付与するファイルはありません。
では、現状でのパーミッションを確認してみましょう。まず「cd(カレントディレクトリ変更コマンド)」で「public_html」に移動します。次に「ls」コマンドで内容を表示します。「-al」オプションは、すべての情報を1行ごとに表示することを意味します。
# cd /home/toy/public_html
$ ls -al
合計220
drwxr-xr-x | 13 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | . |
drwx------ | 6 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 20:32 | .. |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 18009 | 11月 | 15 | 22:58 | COPYING.txt |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 9004 | 11月 | 15 | 22:58 | INSTALL.txt |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 2661 | 11月 | 15 | 22:58 | README.en.txt.gz |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 10758 | 11月 | 15 | 22:58 | README.txt |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 698 | 11月 | 15 | 22:58 | UPDATING.en.txt.gz |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 8871 | 11月 | 15 | 22:58 | UPDATING.txt |
drwxr-xr-x | 2 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | attach |
drwxr-xr-x | 2 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | backup |
drwxr-xr-x | 2 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | cache |
drwxr-xr-x | 2 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | counter |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 6673 | 11月 | 15 | 22:58 | default.ini.php |
drwxr-xr-x | 2 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | diff |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 16230 | 11月 | 15 | 22:58 | en.lng.php |
drwxr-xr-x | 3 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | image |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 692 | 11月 | 15 | 22:58 | index.php |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 16310 | 11月 | 15 | 22:58 | ja.lng.php |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 13156 | 11月 | 15 | 22:58 | keitai.ini.php |
drwxr-xr-x | 2 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | lib |
drwxr-xr-x | 2 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | plugin |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 17759 | 11月 | 15 | 22:58 | pukiwiki.ini.php |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 696 | 11月 | 15 | 22:58 | pukiwiki.php |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 1386 | 11月 | 15 | 22:58 | rules.ini.php |
drwxr-xr-x | 2 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | skin |
drwxr-xr-x | 2 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | trackback |
drwxr-xr-x | 2 | toy | toy | 4096 | 11月 | 15 | 22:58 | wiki |
-rw-r--r-- | 1 | toy | toy | 9483 | 11月 | 15 | 22:58 | wiki.en.tgz |
所有者・グループともに「toy」となっています。これはPukiWikiアーカイブをダウンロードしたのがtoyであったことによります。これらの変更はする必要ありません。これらを変更するとメンテナンスするたびにスーパーユーザに切り替えるなどの不便が生じます。
PukiWikiファイルの最上層のパーミッションは、ディレクトリ以外のファイルは644(-rw-r--r--)、image、lib、plugin、skinのディレクトリは755(drwxr-xr-x)、それ以外のディレクトリは777(drwxrwxrwx)となっています(130ページ参照)。上記の「ls」の結果との相違は、777指定のディレクトリが755となっているところだけです。まず、この階層(ディレクトリ)のパーミッションを変更します。
$ chmod 777 attach
$ chmod 777 backup
$ chmod 777 cache
$ chmod 777 counter
$ chmod 777 diff
$ chmod 777 trackback
$ chmod 777 wiki
パーミッションを変更するには、「chmod」コマンドを使用します。第1引数がパーミッションの指定で、3桁の8進数です。次の引数がパーミッションを変更するファイル・ディレクトリです。
同じように各ディレクトリ中のファイル・ディレクトリのパーミッションを確認しながら、変更していきます。以下に変更必要なディレクトリとその作業を示します。
$ cd cache
$ chmod 666 *.dat
$ cd ../
$ cd image
$ chmod 755 face
$ cd ../
$ cd wiki
$ chmod 666 *.txt
$ cd ../
- Chapter.1 Wikiって何?
- 1-01 Wikiの仕組み
- 1-02 Wikiでできること
- 1-03 Wikiは何に使えるの?
- Chapter.2 Wikiを始めるには
- 2-01 livedoor Wikiに新規登録する
- 2-02 livedoor Wikiの初期設定をする
- 2-03 livedoor Wikiにテキストを入力する
- 2-04 livedoor Wikiのテキストを装飾する
- 2-05 livedoor Wikiのテキストをリスト表示する
- 2-06 livedoor Wikiで表を作成する
- 2-07 livedoor Wikiでリンクを張る
- 2-08 livedoor Wikiに画像を表示する
- 2-09 コメントやトラックバックの機能を利用する
- Chapter.3 Wikiをカスタマイズするには
- 3-01 Wikiの設定を変更する
- 3-02 Wikiのデザインを設定する
- 3-03 Wikiのプラグインを設定する
- 3-04 Wikiのメンバーを追加・管理する
- Chapter.4 Wikiをもっと便利に使うには
- 4-01 Wikiでアフィリエイトを行う
- 4-02 Wikiのアクセスを調べる
- 4-03 Wikiの更新を知るには
- 4-04 その他のWikiを使うには
- Chapter.5 Wikiを設置する
- 5-01 どのWikiを選べばよいか
- 5-02 どこにインストールするかを決める
- 5-03 レンタルサーバにPukiWikiをインストールする
- 5-04 Windowsサーバにインストールする
- 5-05 Linuxサーバにインストールする
- Chapter.6 PukiWikiのカスタマイズ
- 6-01 PukiWikiの見た目を変える
- 6-02 PukiWikiのプラグインを使う
- Chapter.7 PukiWikiのメンテナンス
- 7-01 PukiWikiのバックアップとバージョンアップ
- 7-02 PukiWikiをプライベートで閲覧する
- 7-03 PukiWikiをWindowsサーバで安全に使うには
- 7-04 PukiWikiをLinuxサーバで安全に使うには
- 7-05 PukiWikiを便利に使うためのツール